「ワインの王にして、女王のような優雅さを持つ――」
そんな賛辞をもって語られるイタリアの偉大な赤ワイン、それが バローロ(Barolo) です。
ワイン好きなら一度は耳にしたことがあるこの名前。
実は、その魅力の裏には、豊かな土地の力と、厳格な造り手の哲学が息づいています。
バローロとは? 〜ネッビオーロの傑作〜
バローロは、イタリア北部・ピエモンテ州の限られた地域で生産される高級赤ワイン。
使用されるブドウは「ネッビオーロ種」100%。この品種の名は、秋霧=ネッビア(nebbia)に由来し、
その名の通り、晩熟で霧のかかる丘陵地にぴったりのブドウです。
深いルビー色、ドライで骨格のあるタンニン、そして熟成によって現れるバラやタールのような香り…。
バローロは、まさに“時間をかけてこそ本領を発揮する”ワインなのです。
王と女王の物語
その名が世界に知られるようになったのは、19世紀にサヴォイア王国の王族がこの地を訪れたことがきっかけ。
ワイン通の王に絶賛されたことから、「王のワイン」と称されるようになりました。
一方で、そのエレガンスと気品ある香りから「ワインの女王」とも呼ばれ、
イタリア国内でも特別な存在として愛されています。
プラナバルカの料理とバローロの相性

バローロは、その堂々としたボディと複雑な香りを持つため、
シンプルな料理よりも“しっかりとした味わいのメインディッシュ”と相性抜群。
プラナバルカでは、秋冬には赤ワインソースを使った肉料理や、
熟成チーズを使ったリゾットなど、バローロとともに味わっていただきたいメニューをご用意しております。
特に「濃密卵と生粒黒胡椒のカルボナーラ」とのペアリングでは、
黒胡椒のスパイス感とバローロの熟成香が調和し、食後まで心に残る余韻を生み出します。

ワインは、時間を味わうもの
ワインは“飲み物”であると同時に、“文化”でもあります。
バローロを知ることは、イタリアの土地と人と時間に触れること。
ぜひゆっくりと、時間をかけてその世界に浸ってみてください。
次回予告:黒毛和牛と香味野菜のラグーソース リングイネ
次回は、プラナバルカのディナーメニューから、
濃厚で深い味わいが魅力の「黒毛和牛と香味野菜のラグーソース リングイネ」についてご紹介します。
長時間煮込んだ黒毛和牛の旨味と、香味野菜の芳醇な香りが重なり合うこの一皿は、
まさにバローロのような“余韻”を感じさせてくれる逸品です。
どうぞお楽しみに。
