赤・白・緑。
鮮やかな色合いが目を引く、シンプルながら印象的なイタリアの冷製前菜
「カプレーゼ(Caprese)」。
その見た目の美しさと素材の調和は、まさに“イタリアらしさ”を象徴する一皿とも言えるでしょう。
カプレーゼの「名前の由来」
「カプレーゼ」という名前は、**イタリア南部・カンパーニア州にある“カプリ島(Capri)”**に由来しています。
この島で生まれたことから「カプリ風(=カプレーゼ)」と呼ばれるようになり、現在の名前として定着しました。
カプレーゼの「構成と意味」
カプレーゼは、完熟トマト・モッツァレラチーズ・フレッシュバジルの3つを中心に構成されています。
この配色は、偶然ではなく、**イタリア国旗の“赤・白・緑”**を表しているとされており、愛国心の象徴でもあります。

素材を引き立てるオリーブオイルと塩だけのシンプルな味付けは、地元の食材そのものの良さを尊重するイタリア料理の精神そのもの。
そのため、シンプルであるがゆえに「素材の質」が何よりも重要とされてきました。
起源と広まり
明確な文献としての起源は諸説ありますが、1920年代のイタリアにおいて、王政期から共和制に移行した時代背景の中で「国の象徴的な料理を」として誕生したという説が有力です。
観光地として発展していたカプリ島のレストランで、外国人観光客に「これぞイタリア!」と感じてもらう一皿として生まれたとも言われています。
やがてその美しいビジュアルと親しみやすい味わいから、イタリア中、そして世界へと広がっていきました。
次回は、イタリアンの代表的なパスタ「カルボナーラ」の意外なルーツについてご紹介します。お楽しみに。
